2013年10月19日土曜日

「エクストラ 300L」&複葉機「Waco」が能登の空に! - 「ウイスキーパパ」による華麗なアクロバット飛行

前回のブログでお届けした、日本航空学園・能登空港キャンパス「航空祭2013」
http://whitewing681.blogspot.jp/2013/10/JAA2013.html


現地に到着して今年の航空祭のタイムテーブルを確認。

なんと!ゲストとして飛来している競技曲技飛行チーム「ウイスキーパパ」によるフライトショーが行われるではありませんか!

午前は、エクストラ300L複葉機「ワコー YMF-5FC」の2機による模擬空中戦が、
午後は、エクストラ300Lによるアクロバット曲技飛行が行われます。


午前に行われた高校生パイロットによる7機編隊フライトショーに続いて、まずは2機によるエアバトルショー(模擬空中戦)が始まりました。


まずは午前のアクロバット飛行の様子を動画でどうぞ!





- Flight Data -
Date: Oct 13, 2013
WP Competition Aerobatic Team "Whiskey Papa"
WPコンペティション・アエロバティック・チーム "ウイスキー・パパ" 
Aircraft: Extra EA-300L エクストラ300L
Registration No.: JA14WP

Aircraft: Waco YMF-5FC ワコー
Registration No.: JA55BP
Runway: 25
METAR: RJNW 130000Z 25003KT 200V290 9999 FEW020 16/11 Q1021


ショーの前半は真っ赤な複葉機「Waco」と青と黄色の機体「エクストラ300L」による模擬空中戦
後半は2機によるコラボショー

さて勝負の行方は…
動画を写真で振り返ってみましょう。

ワコーが離陸して…

それを追うエクストラ300L

能登の空で繰り広げられる模擬空中戦

結果はワコーがエクストラを撃ち、煙を出してエクストラの負け
勝者ワコーは観客の前で翼を振ってご挨拶

戦いのあとは仲良く飛行
まずはコークスクリュー

ローアプローチしてのランデブー飛行

ワコー着陸時には、エクストラがスモークを出して飛行

今回は光の具合を考えて、滑走路を挟んだ会場の向こう側で撮影。
会場ではアナウンスがありましたので、それを耳にしながら見た方が迫力満点だったでしょう。

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そして午後はエクストラ300L単機によるエアショー!
エクストラ300Lのパイロットは内海昌浩さん。

その午後のアクロバット飛行動画でどうぞ





- Flight Data -
Date: Oct 13, 2013
WP Competition Aerobatic Team "Whiskey Papa"
WPコンペティション・アエロバティック・チーム "ウイスキー・パパ" 
Aircraft: Extra EA-300L エクストラ300L
Pilot: Masahiro Utsumi 内海昌浩
Registration No.: JA14WP
Runway: 25
METAR: METAR RJNW 130500Z 31006KT 260V010 9999 FEW030 19/10 Q1021


スゲー!素晴らしい演技の数々!

午後は会場から撮影。チーム所属の増田潤一さんのナレーションとともにアクロバット飛行を楽しむ事が出来ました。


スモークを出しながら離陸

まずは4ポイントロールで会場前をローパス

大空に「10」の数字
日本航空学園・能登空港キャンパスは今年で10周年

グングン上昇

グングン降下

スモークの中に入ったり

ハートマーク
チビッコは大喜び!

ト音記号

背面飛行からのRocking Wings

内海昌浩パイロットに会場から大きな拍手!

動画は結局ぼほノーカットとなり、15分の長編になってしまいました。
激しい動きをカメラで追うのも大変…。ちょっとお見苦しい点もあるかと思いますがご勘弁を。



Extra EA-300L JA14WP
300Lは最大で2名乗ることが出来ます

Waco YMF-5FC JA55BP
こちらも2名搭乗可能


エクストラ300Lの翼を真横から
一般的な飛行機と違い翼は上下対称
機体の迎え角で揚力を作り出す仕組み(なはず)


パイロットの内海さんのツイッターには、この日のアクロバット飛行の様子が書かれていましたよ。

※ツイッター社提供の公式ツイート埋め込み機能を利用


なんと!曲技飛行中の重力加速度はマイナス4gから8g!
体重50kgの人なら最大で400kgと同じことに…(私の計算あってる?)

ちょっと普通じゃ考えられない数値ですかね…

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今年の日本航空学園・能登空港キャンパス「航空祭2013」は、とても内容の濃い1日でしたね。

若い学生たちによるフライトや催し物、そしてウイスキーパパによる華麗なアクロバット飛行。
空の楽しさを改めて教えてくれた1日となりました。


以上、能登空港キャンパスでの「ウイスキーパパ」アクロバット飛行動画でした。

2013年10月16日水曜日

【速報】 ローカライザー休止中の富山空港(3) - ANA885便がRNAV(GNSS)アプローチを実施

※富山空港のローカライザー休止については過去のブログ記事
もご参照ください。

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※個人的・趣味的な研究扱いでお願いします(

本日、10月16日のANA885便(Boeing 787-8 JA807A)が富山空港にて「RNAV(GNSS)RWY20 Approach」を実施しました。

ANAによる、富山空港で初めてのRNAV(GNSS)Approachとなった模様です。
(一部の外国航空会社は従来より実施中)


前回のレポート

「ローカライザー休止中の富山空港(2) - アンテナ・局舎の更新状況&新しいFIX名が出来る件」

でご紹介したとおり、10月9日のJASMAレポートでは、ANA「777/787/767/737NG」の各機体において「RNP-APCH Approved」となっていました。

これにより、ANAの当該機種が富山空港でRNAV(GNSS)アプローチを行う可能性があったのですが、本日10月16日のANA885便(Boeing 787-8 JA807A)において「RNAV(GNSS) RWY20 Approach」が実施されました。

※後続の887便(Boeing 767-300 JA602A)、889便(Boeing 787-8 JA817A)、891便(Boeing 787-8 JA818Aも実施
なおこの日は台風の影響により、881便・883便は欠航


それでは、そのANA885便の航跡を見てみましょう。

10月16日 ANA885便による「RNAV(GNSS) Approach」


アプローチクリアランスで「富山アライバル」を指示されたANA885便は、エアドゥの札幌便(ADO79便)の離陸を待つためにMEDICにてホールド。

VOR-Aアプローチを行う場合であれば、臨時設定されている「雷鳥アライバル」を使用して富山VORDME(TOE)にてホールドするのが一般的)

そしてエアドゥが離陸後、「RNAV(GNSS) Approach」にて着陸しました。

風向きを考慮して滑走路02への周回進入が実施されましたが、風の影響もあってか一度ゴーアラウンド。
ミストアプローチコースには乗らずに滑走路02のレフトダウンウインドへ再進入、着陸となりました。
これは視程には問題がなかったため、管制より当該指示がありました。


着陸したのは台風の影響による遅れもあり15時20分頃。
当時のMETARは以下の通りです。

「RJNT 160600Z 30012KT 9999 -SHRA FEW010 BKN020 14/11 Q1009」


10月16日のANA889便も同様にRNAV(GNSS)Approachを実施
RJNT 161000Z 23006KT 9999 -SHRA FEW020 SCT040 BKN060 13/10 Q1016

10月16日 ANA891便による「RNAV(GNSS)Approach」
     RJNT 161200Z 27005KT 9999 FEW025 SCT080 12/10 Q1018


ここで「RNAV(GNSS) RWY20」のチャートを再掲します。




富山空港はノンレーダー空港のため、「RNP0.3 required」の条件付き(赤矢印)。

この「RNP0.3 required」の要件を満たすためには、「RNP-APCH」の認証を受ける必要があったのですが、10月9日のJASMAレポートによるとANAの多くの機種・機体で可能(Approved)となりました。

この「RNP-APCH」の認証要件には「SBAS(MSAS)受信機の搭載が必要」(by羽田空港「空の日」で、チェックスター付近にいらした詳しい方←お察しください)との事でしたが、レポートによるとANAは一度に「174機」の機体認証が行われたことになります。
これだけ一度に認証されたのはちょっと驚きでした。
(ANAがこれらすべてにMSAS受信機を搭載して認証を受けたのか、または国交省の認証基準が既存のGNSSセンサー等のみで取得可能になったのかは不明ですが…)

※外国航空会社が日本国内でRNAV(GNSS)アプローチを実施する場合は、母国での認証により日本で運航可能

この認証で興味深いのは、ANA(ALL NIPPON AIRWAYS)として737-700/800の各機体(JA○○AN)は可能のなっているものの、同機番を運航するのがANA WINGSとなった場合は不可能となっている事。
個別の機体に与えられるだけでなく、運航会社とセットで認証されています。

ローカライザー停波中はよほどの事がない限り、富山空港においてはRNAV(GNSS)Approachが行われるのではないかと思われます。

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もう、VOR-Aアプローチは見られない?



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それでは、ローカライザーの供用再開後はどちらのアプローチ方法が主に使われるようになるのでしょうか。

従来の「LOC Z RWY20」と比べると視程や最低降下高度等の高さは同じなのですが、LOC Z RWY20には「ローカライザーオフセット」の存在がありります。
ローカライザーの電波に従って進入してきても、最後は目視により滑走路へアラインする必要があるのです(0.87度ですけどね)。

またMAPt(Missed Approach Point)がRNAV(GNSS) Approachの場合は滑走路端であるという点も有利に働くのかもしれません。

LOC Z RWY20のチャート
RNAV(GNSS) RWY20と比べ、MINIMAの数値は同じですが…

ローカライザーのオフセットがあるので、ギリギリの気象条件の時はRNAVが有利?


なお、富山空港に飛来の可能性がある「エアバス A320」「ボーイング 737-500」については「RNP-APCH」を取得していないため、従来どおりVOR-Aアプローチを行うものと思われます。
エアドゥ機についても同様です。
※10月9日現在


「RNP-APCH」、今後も注目していきたいと思います。

2013年10月15日火曜日

日本航空学園・能登空港キャンパス「航空祭2013」 - 高校生パイロットによるフライトショー&YS-11機体展示

能登空港に隣接する日本航空学園・能登空港キャンパス
このキャンパスにある、日本航空高等学校日本航空専門学校「航空祭2013」が10月12日・13日に開催されました。



13日は能登空港の「空の日」イベントと同日開催。

今回は13日の航空祭で行われたフライトショーを中心に、この学園で活躍する往年の名機「YS-11」についてもご紹介します。


まずはフライトショーから!
この日本航空学園所属の固定翼機・回転翼機が集結し、高校のグライダー部の学生が中心となって編隊飛行・機動飛行を行います。
固定翼機には教官とともにこの学校で学ぶ高校生が搭乗し、操縦も行いますよ。

その様子はこちらの動画でどうぞ!






- Flight Data -
Date: Oct 13, 2013
Airline: Japan Aviation Academy 日本航空学園
Aircraft:
 CESSNA 172 Skyhawk セスナ スカイホーク JA4003
 SCHEIBE SF25C Falke シャイベ ファルケ JA2435
 SCHEIBE SF25C Falke シャイベ ファルケ JA2436
 Valentin Taifun 17E バレンティン タイフン JA2362
 Valentin Taifun 17E バレンティン タイフン JA2397
 Christen industries A-1 Husky クリスティン・インダストリー A-1 ハスキー JA4228
 Bell 206B JetRanger ベル ジェットレンジャー JA6113
Runway: 25
METAR: RJNW 130000Z 25003KT 200V290 9999 FEW020 16/11 Q1021


なんと!今年は7機編隊!
去年は4機でのフライトショーだったのですが、今年は創立10周年記念との事で、山梨キャンパスで活躍する機体も含めて7機でのフライトショーが行われました。

高校生パイロット諸君の見事なフライトでした!





さっそく能登空港キャンパス内に移動、今回フライトを行った機体を見に行きます。

編隊のリーダー機
CESSNA 172 Skyhawk セスナ スカイホーク (JA4003)

富山空港への飛来でもおなじみ!
SCHEIBE SF25C Falke シャイベ ファルケ(JA2435) 

SCHEIBE SF25C Falke シャイベ ファルケ(JA2436)

長ーい主翼が特徴的
Valentin Taifun 17E バレンティン タイフン (JA2362) 

美しい単機飛行を見せてくれた
Valentin Taifun 17E バレンティン タイフン (JA2397)

こちらも単機機動を見せてくれた
Christen industries A-1 Husky クリスティン・インダストリーA-1 ハスキー(JA4228)

この日は遊覧飛行でも活躍
Bell 206B JetRanger ベル ジェットレンジャー (JA6113)

中でもJA2435は、グライダー部による富山空港への航法訓練でも頻繁に飛来しています。
当チャンネルでも度々登場しています(いつも上手く撮れてなくてゴメンナサイ)。


午後も同様にフライトショーが行われました。
高校生パイロットたちも、午前とメンバーを交代して搭乗しています。



なかなか素晴らしいショーでした!
高校生パイロットたちも青空の元、気持ちよくフライト出来たのではないでしょうか。

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さて、この航空学園の航空祭では様々な展示や催し物が行われていますが、今回はここで活躍するYS-11についてレポートします。


現在この能登空港キャンパスには3機のYS-11があり、うち2機がこの航空祭で展示されています。
(日本航空専門学校では、このYS-11を使って「一等航空運航整備士(YS-11)」の資格を取得することが可能だそうですヨ)


まずはJA8805からご紹介。元JAC(日本エアコミューター)の機体です。



荷物用のベルトローダーで機内へ



当時のJAC機内ポスターもそのままに



現在の航空機と同じく、ランディングライトスイッチはライトの形



プロペラのカウルも開いて展示

続いてお隣のJA8781。こちらも日本エアコミューターで活躍した機体ですね。


こちらは座席もそのままに
キャビンアテンダント実習でも使われる






残念ながらJACのルリーの姿はなくなってしまった



もう一機のYS-11は学園内での展示はありませんでしたが、なんと能登空港のエプロンに駐機中。
JA8777です。
こちらも学園の教材として活躍しています。



これら3機のYS-11は既に耐空証明も切れており、もう大空を飛ぶことはありませんが、この能登の地で若者の学習・教育の場として活躍しています。

機体周辺では学生たちが案内。
日頃学習している機体だけあって、細かいところまで熱心に説明してくれます。

(学生との会話で「俺、この3機のうちどれかに鹿児島-種子島で乗ったんだよなぁ」なんて言ってましたが、調べてみたら乗ったのは「JA8759」でした。みんなゴメン!)

また会場では、前回の航空祭で知り合ったグライダー部の学生とも再会。
この航空祭が縁で、グライダー部の部活動紹介で当方の学園機の収録映像を提供。「たくさん新入部員が入部してくれましたヨ!」と嬉しい報告。


そのほか、若い学生たちからいろんな話を聞くことが出来ました。

学生のみなさんがそれぞれの夢に向かって努力している姿に感動した1日でした。
あぁ、若いって素晴らしい!



他にも数多くの機体展示や催し物が行われていましたが、今回は時間がなくて割愛。

ゆっくり見て回ろうと思っていたのですが、ゲスト飛来していた競技曲技飛行チーム「Whiskey Papa」展示飛行を行うというではありませんか!

ちょっとこれは完全にノーマーク!次回はこのアクロバット飛行についてお届けします。


以上、能登空港キャンパス航空祭2013「フライトショー&YS-11展示編」でした。


「エクストラ 300L」&複葉機「Waco」が能登の空に! - 「ウイスキーパパ」による華麗なアクロバット飛行