2020年12月31日木曜日

【番外】小型AT限定普通自動二輪(原付二種)を「一発試験」で取ったけど、あまりオススメできないワケ


「暇だから運転免許の種類でも追加するかぁ」

世界的な感染症禍のせいで、旅の機会も撮影の機会も奪われた2020年。
そんな中、バイクに乗るつもりもないのに突然始まった運転免許取得計画

合格にあたって、WEB上にある経験談やBlog・YouTube動画がとても参考になりました。
恩返しにと私も番外編として記録します。



教習所ではなく「一発免許」で取得を目指す


「自己鍛錬」を建前にAT小型限定普通自動二輪免許(通称“原付二種”)の免許を取ってみようと計画。
正直免許の種類はなんでもよかったので、大型とか牽引とかも検討しましたが今回は自動二輪の取得を目指してみることに。
人生、何事も挑戦です。


この免許では排気量50ccを超え125cc以下のバイクに乗車することができます。身近なところでは郵便局で配達に使用されているピンクナンバーのバイクですね(黄色もあります)。

AT(=オートマティック)とありますが、これはスクータータイプはもちろん、手でクラッチ操作を行わない車両もATに含まれるため、先述の郵便局バイクなど遠心クラッチを搭載するホンダのスーパーカブも運転可能です。
道路での最高速度は60km/hで、50cc原付が行う「二段階右折」も不要。高速道路など一部の自動車専用道路は走れませんが、2人乗りも可能なんですよ。



郵便バイクは小型AT限定で運転できる


さて、免許と取得となれば教習所に通って免許を取得する方法が一般的ですが、今回は各都道府県の運転免許試験場で技能試験を行う「一発試験(一発免許・直接試験・飛び込み試験・ダイレクト受験)での取得に挑戦してみました。


なお既に自動車の運転免許は持ってますので、原付バイク(~50cc)には乗れます。
でも原付バイクは持ってないんです。

では原付バイクに乗ったことがあるかというと…沖縄の離島でレンタルバイク3回
合計したら10時間も乗ったかなぁ…
いや、そんなに乗ってない。(ホントに大丈夫?)


そんなワタシの一発免許受験体験記です。


法規走行はYouTube動画を参考に


一発免許は各都道府県にある運転免許試験場のコースで試験が行われます。一般的にいうところの免許センターにある試験コースですね。当然ですが試験官は警察官が務めます。

その試験には交通ルールを守って円滑な走行ができるかをみる「法規走行」と、バイクをコントロールできるかをみる「課題走行」があります。(学科試験は他の自動車免許保有につき免除)
試験は100点満点から減点しコース完走時点で70点以上残っていれば合格。コース途中で70点より減点超過となった場合は試験が中止されます。

まず法規走行ですが、これはYouTubeの動画を参考にしました。

  • 教習所の教官が行う法規走行デモ
  • 白バイ隊員による一発免許試験コース試走動画

あとは日ごろの自動車運転で法規走行を徹底的に実践。
動画で学んだ法規走行を徹底的に体に叩き込みます(運転免許保有者は必ず教習所で学習しているハズなんですけどね…汗)。バイクと乗用車では多少異なる点もありますが、私はこの日ごろからの実践がとても重要だと思っています。

また取得時講習実施(後述)の教習所教官もおっしゃっていましたが、教習所の卒検と一発免許試験では違いがあります。
特に一発免許では走行のメリハリが求められ、コース上の課題速度以外の場所でも加速できるところは十分に加速しないと減点されるのです。堂々と自信を持って運転するように心がけます。


課題走行はイメージトレーニングも大事


法規走行とともに試験に含まれるのが「一本橋・S路・クランク・急制動・坂道発進」などの課題走行です。(小型ATではスラローム・波状路の課題を実施せず)

YouTubeなどに実践動画などがありますので参考にしました。自転車での練習も有効だと思います。とにかく時間を見つけては動画を見てイメージトレーニング、そして自転車で復習です。
ただ、これら課題走行については経験する必要があると思ったので、試験前に原付バイクを3時間ほど借りてきてこれら模擬課題を実践しました。


私が意識した課題走行攻略法は…

  • 一本橋:すばやく乗り上げる。真下を見ない。ハンドルは常に揺らいだ状態でバランスを取る。アクセルのむらを後輪ブレーキでコントロール。落ちそうになったら駆け抜ける(落ちたら試験中止、早く渡っても減点で試験続行チャンスあり)
  • S路:落ち着いて中央部を通行すれば脱輪やコーンに接触することはない。出口での「ふくらみ」に注意
  • クランク:それぞれの直角の先を見る。曲がり角では「前輪が狭路中央よりタイヤ1本分やや外側通過」を意識。出口での「ふくらみ」に注意。こちらも落ち着いてこなせば脱輪・コーン接触はない
  • 急制動:アクセルは制動開始位置まで保持し、前輪を若干強めにブレーキ。無理をしなくても十分に停止可能なので慌てずに。
  • 坂道発進:アクセルをゆっくり入れエンジン音をよく聞き、ゆっくりとブレーキを離す。

ちなみに採点基準については警視庁のWEBサイトに資料がありますので、これを読み込んで「何をしたら減点になるのか」を理解しておくことがとても大切です。またコース基準の記載もありますのでこれも参考にされるとよいでしょう。

運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(PDF)
運転免許技能試験実施基準について(PDF)
※リンク切れの場合、新たな通達が出ている可能性があるのでググってみてください。


オススメできないワケ①技能試験の予約がなかなか取れない


心と体の準備が出来たら技能試験の予約を行いますが、これがすぐに試験実施とはなかなかいきません。
試験場に電話して取れた試験実施日はナント4週間後。都会の試験場では1週間程度で予約できることがあるようですが、我が田舎の試験場では予約がとりにくかったです。
また当然ながら試験は平日のみ。仕事を休まなければならないため、その調整も必要でした。


技能試験1回目は「コースの確認・車両に慣れる・採点の要点をつかむ」と割り切る


いよいよ技能試験初挑戦の日です。
文字通り一発で合格すれば御の字ですが、未知のコース&初めて乗る125cc車両。
1回目の試験は「コースを覚えて車両に慣れる日」と割り切って挑みます。

試験車両は多くの試験場で採用されているスズキ・アドレスV125
原付スクーターより若干大きいかなぁという感じです。ここで初めて125ccのバイクに乗りますが、原付50ccバイクと比べても車両の大きさに対する戸惑いはありませんでした。

そして何より心配だったのがコース
首都圏や多くの都道府県ではコースがネット上にいくらでも出ていますが、富山の場合は試験場内にコースの掲示がされておらず、受験者も少ないためかネット上にもコースが流出していません(施設内撮影禁止)。

コースを覚えられるか心配でしたが、当日渡されたコース図を見てみると…コース全体を大きく周回してのコース取りもなく、課題走行順に覚えれば全く問題ありませんでした。(例:「S路・踏切・坂道・クランク・一本橋・急制動」のように、課題を言葉にしてテンポよく覚えればちゃんと走行できるコースです)
コンパクトにまとまったコースはとても覚えやすく心配は無用でした。

富山の運転試験場内にあるコース
とても広いが自動二輪では1/3程度しか使用しない

受付を済ませたあと試験開始までの1時間は、コースを歩いて確認することができます。
ここでは単にコースを歩くのではなく、通るべき車線や位置取り、安全確認の手順を忠実に再現して歩きます
実コース走行以外の視覚情報を一切記憶に残さないことで、コースのミスやライン取りを確実なものにするためです。必ず順路どおりに車両を走らせるポジションの上を振り返らずに歩きましょう。
歩きながら法規走行・課題走行の事前学習ポイントを実際の試験コースにあてはめ、この時に道路における車両の走行位置を決めてしまいます
「ここで右に寄せる」とか「ウインカーはここで出す」「タイヤはここを通す」などとイメージし、一時停止・左右・後方・巻き込み確認とすべてを実践しながらコースを覚えました。


いよいよ技能試験初挑戦!…するも不合格
そしてまたまた取れない次の試験予約


そしていよいよ試験開始の時間です。
試験官から事前説明のあと、短い距離ですが慣熟運転を行い試験開始。
初めての一発試験、とても緊張しましたがコースも間違えずにあっさりとコースを走破できました。

そんな私の一発免許1回目の試験結果ですが…完走するも残念ながら不合格
試験官からは「わずかに点数が足りなかったよ。あと数か所直せば次はいけそうだけどね」と減点となった個所のワンポイントアドバイスがもらえます。聞き逃さずにメモしながら、さらなるアドバイスを引き出せるよう努力してください。私の場合はウインカーの操作とコース取りについてのアドバイスがありました。

正直「それ減点?!別の一発試験場動画ではこのように実施してたようだけど…」と思う部分はありました。一発免許の試験には少なからず地域特性やコース特有の条件もあり、これをクリアしないことには合格はありません。アドバイスに疑問は持たず、素直に修正して次回に挑みます。

試験終了後、次回の試験予約をしますが…これも約1か月後。かなり日時が空いてしまいます。
オススメできない理由はやはり時間がかかりすぎる点です。


オススメできないワケ②
技能試験2回目で合格!…するも、待ち受ける「取得時講習の予約」という難関


1か月後の技能試験2回目

前回はすべてが初めてでしたが、今回はもう手慣れたもの。
受付を済ませ、コースを歩きながら前回ダメだったところのアドバイスを忠実に修正し記憶します。

2度目ということもあり、緊張感もスッと抜けリラックスして行うことが出来ました。(それでも試験後のアドバイスでは「上半身が硬かったよ」と言われました…)

そして試験官からははい合格です!のうれしい言葉!
2度目の技能試験で無事に合格することが出来ました。まあ二発試験って感じですかね。(汗)


さて、合格したので早速運転免許の書き換え…というわけにはいきません。
次なる難関は「取得時講習」です。(むしろ技能試験より難関…?)

この取得時講習、初めて自動二輪の免許を取得した人は自動車教習所でバイクに関する講習を3時間受講しなければなりませんが、この予約がなかなか取れないのです。

取れないというよりも、教習所からすると儲からないためか「やりたくない」といった感じで「高齢者教習で忙しいから、また2か月後に電話して」「月末にしか開催してなくて、それも3か月先までずっといっぱい」「学生の免許取得が優先」というような(あからさまな)対応でした。
そんな中でも唯一丁寧に対応していただいた教習所に日付フリーで申し込みをし、後日連絡をいただいて講習の機会を得ることができました。


オススメできないワケ③取得時講習でわかる「教習所のありがたさ」


技能試験の合格からこれまた数週間後、ようやく予約できた取得時講習を受けるため自動車学校で3時間の講習を受けます。

計3時間の講習ではシミュレーター学習と座学、それと実際の教習コースを教官と一緒にバイクで走ります。
これまでの自己学習のスキマを埋めるために疑問質問をどんどんぶつけます。周りには実際にバイクに乗る友人知人もおらず、自己学習だけでここまでやってきた私にとってようやく指導者に出会えた喜びがありました。

ちなみに、私が1回目の試験で減点された内容を説明すると…「うーん、教習所でそれは減点しないなぁ…」との事。地域やコースによる特性は少なからずあるようです。

3時間の講習を終え、めでたく終了証をゲット。
これをもって再び免許センターに行き、ようやく免許証に限定付きながら「普自二」の文字が追加されました。

ここまで長かったー!


トータルの取得費用は安かったが…教習所での取得料金は決して高くない


今回の一発免許にかかった費用を整理すると…

  • 技能試験:4,050円×2回=8,100円
  • 取得時講習:12,000円
  • 免許証交付手数料:2,050円

合計22,150円
教習所で普通自動二輪(小型AT)を取得すると7~8万円前後(自動車免許保持者)なので、結果的に1/3以下のコストで取得することはできました。
しかし、費やした時間や手間を考えると教習所の料金は決して高いとは思いません。技能試験も運良く2回で合格できましたが、これが3回・4回かかった場合、取得までの日数はとても長くなります。

ちなみに普通自動車免許等を保有する人が普通自動二輪小型ATの免許を取得する場合、教習所であれば最短2日で取得が可能です(2日教習実施教習所に限る)。2日教習未実施教習所でも数日あれば取得可能でしょう。


どんな人が自動二輪の一発免許向きなのか考えてみました。
  • 取得がいつになるかわからなくてもいい人
  • コースを当日覚えて、初対面の試験官(=警察官)の前で堂々と走行できる人
  • バイクに乗って練習できる環境がある人
  • 普通自動二輪保有者が大型自動二輪を取得する場合(以前は一発免許しか方法がなかった)
  • フルビット免許を目指す人

逆に向かない人としては
  • 時間がない人、仕事で乗る必要があり免許が確実に必要な人
  • 1度もバイクに乗ったことがない人(MT車はどうしても実車経験が必要だと思います)
  • やさしく指導されたい人
こんなとろこでしょうか。


限定解除や大型自動二輪取得への近道になる(かも)


この小型AT免許を取得したあとに「やっぱり小型ATではなく、中免や大型が欲しい!」と思う方もいらっしゃると思います。
この小型ATは区分上は「普通自動二輪」の免許保有者となりますので、ここからステップアップして小型/ATの限定解除や大型自動二輪の取得を教習所で取得する場合でも、取得の際に教習時間の短縮や取得費用が安価になります。

そしてこの免許は16歳から取得可能。
まあ学校で許されていないケースが多いとは思いますが、教習所で普通自動二輪の免許を取ってから普通自動車などの免許を取得してもトータルの金額はそれほど変わりません。


まとめ:挑戦してよかった自動二輪免許


周りに誰も挑戦した人がいない中での一発試験取得。
手探りでしたが、WEB上の体験談やYouTube動画はとても参考になりました。

なによりも挑戦してよかったのは、二輪の特性を知ることができた事です。自己学習や試験官からのアドバイス、教習所での取得時講習は安全運転への意識向上にもつながりました。
今後旅先でレンタルバイクを借りる場合でもこの苦労は大いに役立つと思います。
そして、乗る予定のなかったバイクにも乗りたいと思うようになりました。あーはやくバイクが欲しい!


私の体験記も、どなたかのお役に立てばと思います。

以上、AT小型検定普通自動二輪・一発免許受験記でした。

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2020年も当YouTubeチャンネル・ブログをご覧いただきありがとうございました。
チャンネル登録者も11万人を超え、本当にたくさんの皆さんに動画を見ていただきました。
今年は思うように撮影ができない1年でしたが、来年はたくさんの動画を撮影ができるよう努力する所存です。

2021年もみなさんにとって良い年となりますように。

whitewing681 YouTube Channel



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