2022年8月25日木曜日

回想 徳島・阿波踊り&関東の旅2022(8月14日) 【旅の計画/1日目:大雨でサンダーバード大遅延・2時間遅れの渦潮&興奮の阿波踊り編】

旅に出かけると書いている、気まぐれ旅行記。

メモ程度の日記なんですが、よろしければどうぞ。

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お盆の各方面旅行、空いてます。
阿波踊りも、空いてます。


3年ぶりの行動制限のないお盆。
しかし例年のように交通機関や宿も大混雑とはならない様子で、まだまだ回復途上な旅現場。ANA/JALの特典航空券にも空席が目立つ。

そんなワタシもチャンスがあればどこか行こうかな…と特典航空券を使った北海道、山陰・山陽、そして沖縄…いろいろ検討はしてみるがピンとこない。

幸い富山-羽田線の設定があることから「15日、新宿末広亭の芸協定席には行くかナァ」と考えていたら「今日(8月12日)から阿波踊りが3年ぶりに開催」とニュースが流れ、ちょっと旅程を組んでみる。

すると電車もバスも飛行機もホテルも、そして阿波踊り有料演舞場S席も、ぜーんぶ空いてるじゃないの。
このまま阿波踊りへの旅、手配しちゃいます。

阿波踊り期間中に羽田-徳島のトクたびマイルの設定

行程は8月14日に富山を出発してサンダーバード号で関西経由、高速バスで徳島・鳴門の渦潮見物に立ち寄り、夕方徳島市内入りして阿波踊りを見物。
翌15日に徳島空港から羽田へ移動し芸協の落語定席へ。
16日最終日はいつものようにノープランのまま夕方に羽田-富山便で帰る計画。
フライトは「トクたびマイル」で2区間合計10500マイルの払い出し。

JR・バス・航空券の手配もそのまま済ませ、徳島・東京の宿も確保。
特に徳島の宿はOTAのクーポン使って5600円と、お盆それも徳島最大のお祭りである阿波踊りの旅がここまですんなり手配出来るってなんだか狐につままれたよう。
3年ぶり開催のニュースを見たの、さっきなんですけど…。

そして2日後の2022年8月14日、徳島・東京の旅が始まった。

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未明の雨で鉄道大混乱&まさかの全額払い戻し
サンダーバード大遅延レポート


2022年8月14日、旅の始まりは…新高岡駅
駐車場が安価な新高岡駅をチョイス。


実は予定より30分早い新高岡駅入り。

朝の身支度の際にJR北陸線の運行状況をチェックすると…あれま、未明の大雨でサンダーバード2号と4号が既に運休を決めている。
乗車予定のサンダーバード8号は動くようだが…これはさっさと始発駅である金沢に向かった方がいいと判断、念のためサンダーバード6号に間に合う新幹線に乗車すべく新高岡駅に到着した次第。

既に迂回特認も出ている…まずいなぁ

しかも状況が厳しいのか、早々に「東京、高山線、長野から中央線への迂回特認」まで出てしまっている。これは大阪方面を向かう乗車券を所持する旅客に対して「北陸線経由では遅延or不通かもしれないから、その乗車券のままで迂回してもいいよ」という特別な許可。先日の福井県豪雨被害もあってか、これが早々に出るって事はよっぽどです。

早朝の新高岡駅はまだ閑散

駅に着いて予約済みのきっぷ群を券売機で受け取る。

新高岡の駅員が「6号も運用の都合で出ないみたいですよ、8号からです」と言っているものの、偶然にも金沢から早朝の高速バスに乗車予定の友人が「6号は出るっぽいこと言ってるけどなぁ」と貴重な現場レポート。
こういう時はやはり現場情報が大事、とにかく金沢まで行って情報収集するのが良策だ。

8/14 つるぎ701号 新高岡-金沢
始発の新幹線で金沢へ


予定より1本早い「つるぎ」で金沢駅に到着。
運休と聞いていた6号は既にホームに据え付けられて定刻の発車を待っている。
現場は意外にも静かな雰囲気で、2号・4号の乗客も少なかったのか6号で十分に収容できている様子。この時点でのさらなる遅れ情報も特段聞こえてこない。

「6号からは所定で出しますよ」と駅員。
となれば早発の6号への乗車変更を見送り、ゆっくり朝食を買い込んで予約済の8号の入線・出発を待つ。なんとか関西方面には進めそうね。

でも一応…新幹線の特急券は無効印を押してもらって持ち帰る。万が一の発地送還の際の証明になるだろう。

途中下車してコンコースへ
コンビニで朝食を買い込む

8/14 サンダーバード8号(4008M)
北陸新幹線開業後、久しぶりの関西方面特急乗車(だと思う)

車内に乗り込むと当該号車に乗客は私1名。指定席発売状況を見ても数席は売れているようだが、しばらくは貸し切りとなるであろう車両を静かに独り占め。
お盆期間の日曜日、朝の関西方面行とはいえ…ちょっと空きすぎ感あるね。



小松、加賀温泉を順調に発車し、定時の7時50分に芦原温泉駅到着。
すっかり安心しきっていたのだが…停車してすぐさま運行抑止のアナウンスが入り発車見合わせ。

どうやら先日の福井県豪雨で線路が損壊していた今庄周辺の状況と安全を確認している模様。
ここまで車内でもノーインフォメーションだっんだけどな…と、JR西日本・列車運行状況サイトで各列車の現在位置を確認…あれま武生の普通電車を先頭に先発のサンダーバード6号やしらさぎ、普通列車がズラリと抑止されている。

芦原温泉駅で抑止
動く気配は…ない

まあそのうち動くだろうと思っていたが…並んでいた上り普通電車を先に出発させ、特急は抑止状態が続く。「現在武生-敦賀間の線路設備確認中、運行再開まで1時間ほどかかる模様、時間は前後する可能性あり」のアナウンスをもって、行程変更にとりかかる。

この時点での可能性は…
  1. 遅延しつつも開通、関西方面へ進出し旅行を継続
  2. 金沢へ戻り他経路乗車・迂回特認で旅行を継続
  3. 旅行中止とし、無賃での発地送還(新高岡)を願い出る
まあ3はないにしても…2も楽しそうかな。()

本日の移動計画を整理すると、
  • 金沢-京都(サンダーバード8号)
  • 京都-西明石(新幹線自由席)
  • 西明石-舞子(JR神戸線)
  • 高速舞子-鳴門公園口(阿波エクスプレス/高速バス)
  • 鳴門公園-徳島市内(路線バス)
京都から西明石まで新幹線を選んだワケは、舞子駅前の公園で明石海峡大橋を眺める時間を捻出するためだったのだが…ちょっと裏目に出たね。

このうち高速バス・阿波エクスプレス号への接続は舞子駅にて30分。1時間遅れる時点で予約したバスには乗車できない事が確定。
バス予約サイトでオンライン決済済みなのだが間際の取消となるため電話での取消完了。振替バスの予約はまだ遅延状況がはっきりしないため、後続の阿波エクスプレス号に空席があることを確認して電話を切る。

しかしその後も芦原温泉駅での停車は続き、車掌に状況を確かめる乗客の姿もあった。
私も車掌さんに大阪までの延長乗車の確認。在来線のほうが速達であれば経路を神戸線経由に変更して舞子まで進む計画とする。

「遅れて申し訳ございません、状況もはっきりしなくて…」と平謝りの車掌に「今日の車掌さんと私は運命共同体。私は平気ですから謝んないでくださいよ。」と労う。
こういう時、客の前に出たくないだろうなぁ。

後続のサンダーバードも運休を決定

予定の1時間を過ぎても列車が発車する気配なし。抑止中の列車も動きはなく、後続のサンダーバードも運休を決定。

発車予定時刻から90分が経過したところでようやく「9時40分から順次運転再開」の報。
結局、芦原温泉駅を1時間57分遅れで出発となった。
線路に不具合がなくてホッとする。これ線路不通だったら迂回or発地送還だからね…。

芦原温泉駅を117分遅れで出発

南今庄周辺は土砂災害の爪痕がまだ残る



さて、JRの特急列車は2時間遅れると特急料金の全額が払い戻される。

先日の今庄周辺の豪雨被害の復旧は突貫工事で行われたため、列車は未だ制限45km/h。
遅延となった列車群が湖西線・東海道線に割り込むためさらなる遅延が予想されるが…ああ、もう2時間とっくに超えてらぁ。


すると先ほどの車掌が再び巡回し乗客に説明して回る。

車掌:「先ほどはどうも。ご案内のとおり駅で証明を…」と、運行再開で少しだけ明るい表情。
私:「車掌さんは早く忘れたい乗務だろうけど、旅人にとってはこれ一生の思い出ですから。こちらは急がない旅、お疲れ様でした」
車掌:「お客さん!ありがとうございます!どうりで優しいお顔されてるもの!」

顔を褒められるのは久しぶりw
急がない旅とは言ったけど…これ急がないと鳴門公園での途中下車はパスだなぁ。


京都到着の時点で2時間17分遅れ。
このまま新大阪まで進出することにし、経路変更分のきっぷを揃える。
特急券の遅延証明は駅で受けることになるが、今回は証明を受けずに旅行を継続。特急の場合、履歴は残っているので大丈夫と判断。

新大阪で下車し神戸線ホームへ急ぐ

東淀川駅手前で乗りたい快速が内側線を走行、サンダーバードが追い越す。
そのまま新大阪駅で当該快速に無事乗り込むことができた。


舞子駅ではバスの所定までわずか9分の乗換。精算窓口に寄っている時間はない。

サンダーバード号は指定券なので遅延の証明は後日でもできるが、「京都-西明石」の新幹線自由席特急券が未使用・無証明のままとなるため車掌に「払い戻し申し出」の券面証明を願い出る。
今回の場合、快速の車内での発券・変更の手立てはなかったが「この客は払い戻ししたいと確かに言ってたよ」と券面の証明を受けることで、後日の払い戻しが可能になる。

最後尾の車掌室でのこんなやり取りを聞いていた乗客が「もしかして…富山の人?」と声をかける。なんでも奥さんが富山出身だそうで、懐かしいそのイントネーションに思わず声を掛けたのだとか。
こっちは普通に、むしろ気持ちは関西人のように話しているつもりなのだが…w
田舎モンは隠せないってことです。

須磨の海岸には海水浴を楽しむ人々
途中下車したいけど…時間ないー


移動のハナシが長くなったが人生初の特急2時間遅延&払戻、今回のキーポイントは…
  • 自分が許容できる遅延時間を設定し、旅行継続か発地送還かを決定する。
  • 乗車券・特急券類の遅延証明は下車時に駅窓口で。(今回のように)駅での証明を受けられない場合でも、特急の遅延履歴は残っているからあわてずに。
  • 払い戻しの期限は1年以内。当日、駅で払い戻しの大行列に並ぶのは時間の無駄。

何よりも、旅行業・マルス戦士としての経験も大いに役立った。
人生、無駄なことも…そんなにないかな。


阿波エクスプレス号に無予約で乗車
2時間遅れの渦潮見物


高速舞子バス停は
舞子駅からエスカレーターですぐ

舞子駅で下車し、橋梁の下でクロスする長いエスカレーターで高速舞子バス停へ。
ほどなくして阿波エクスプレス号が到着、「予約してないですが乗れますか?」と運転手に願い出てバス内で現金精算。

当初予定より2時間10分後の阿波エクスプレス号に乗車

当初乗車予定のバスから遅れる事2時間10分、ようやく徳島行きバスに乗り込む。
車内は7割ぐらい?窓側席に着席する。


初めての淡路島を…通過

乗車から50分、大鳴門橋から渦潮が見える

高速鳴門からわずか50分弱で徳島・鳴門公園口


高速道路上のバス停から階段で降り「渦の道」へ。

施設入場口の前から徳島方面を見ると、橋梁の下にはポッカリと空いた穴。
この大鳴門橋は鉄道道路併用橋として建設されたため、単線運行用の鉄道トンネル跡が存在。
明石海峡大橋は道路橋として建設されたため、淡路島を貫く鉄道は建設されることはなさそうだが、現在このスペースには自転車専用道の建設計画があるようだ。

大鳴門橋に残された未成線


渦の道入口で入場料を支払い、橋の下にある遊歩道を進む。
行列になるほどではないが、観光客の姿も多数。



橋中央にも鉄道用スペースが設けられている

クルクルとあちこちで渦潮が発生

観光観潮船が渦潮に接近
遅れがなければ乗りたかったナァ





当初の予定では渦潮観潮船でも乗ろうかな…と思ってたけど、遅れの影響もありまた次回の旅のタスクに。
残念だが…また来ればいいんです。

時刻は15時過ぎ、食事処も早々に店じまいに取り掛かっていて、ここまで昼飯にありつけていない。
リュックに忍ばせておいたどら焼きで空腹を満たし、路線バスで徳島市内へ進む。



踊る阿呆に見る阿呆、これが阿波踊り!
初めての阿波踊りに感動!



鳴門公園から路線バスで徳島市内に到着。
ホテル近隣で下車すると、目の前にレインボー。
雨の心配は…たぶん大丈夫っぽい。

久しぶりの徳島、といってもむかーし高知への鉄道の旅で立ち寄っただけで、ほとんど記憶がない。徳島県内で宿を取るのも初めて。



コンビニで昼飯代わりのおにぎりを買い、ホテルに入り一旦シャワー。
この時点で2時間の遅れはほぼ圧縮できた感じ。
17時30分、再び身支度して外に出る。


既に街には衣装に身を包んだ踊り手や、会場へと向かう観光客が数多くみられる。

藍場浜公園の演舞場脇に歌碑
「渡る新町橋 落ちよとまゝよ 踊りあかさにゃ 眠られぬ」(野口雨情)

ホテルから歩いて数分、藍場浜演舞場に到着。ここは阿波踊りのメインステージといってもいい、一番有名な演舞場との事。
まもなく開演なれど…S・A席のみが混雑し、B席エリアはまだまだ空いている。


たまたま後ろに座った地元の人が徳島県の県議会議員。
自身も連に所属しているそうなのでこれはチャンスと即座に現場レポートを頂く。

議員(前回の2019年シーズンと比べて)1/10!…は言い過ぎだけど、まあ1/5かなぁ。この演舞場にまだ空席があるなんてありえないんですよ。今年はなんとか開催出来ましたけど、それでも開催前は連日のように抗議の電話が事務所にもかかって来てましたし…。本来ならね、もっと熱気があるというか町中が妖艶な雰囲気で…」

私も今回は2日前にあっさりとホテルも演舞場のチケットも入手。旅行業の経験からしても、特に阿波踊りをはじめ有名な祭の旅の手配依頼が来ても断らざるを得ないことが多かったのに…ちょっとあり得ないよね。


と、そんな話をしているうちに、いよいよ演舞がスタート!
最初の「阿呆連」が演舞場に入場してきた。
演舞場には「連」と呼ばれる、踊りのグループ・団体ごとに入場。
それぞれがさまざまなスタイル・個性豊かな阿波踊りを披露してくれる。




演舞場では様々な有名連が次々と登場するのだが、最初の阿呆連から一気にその阿波踊りの世界に引き込まれてしまった。
これが阿波踊りなのか…!

鉦の音にあわせて、
三味線と笛の軽快なメロディが心地いい





大鼓にすだちくん発見

女性の「男踊り」も美しい

先頭の高張提灯に「松空連・第24航空隊」の文字
海上自衛隊・第24航空隊の隊員・家族・基地近隣住民で構成される連


高張提灯と並んで哨戒ヘリコプターが先頭を行く




あっという間の1時間30分。
地元富山でも祭の類には縁のない、言っちゃえばむしろ避けてきた私だが…阿波踊り凄いよ。



演舞場の第一部は終了したが、街中ではあちらこちらから鳴り物の音が聞こえる。
市内各所に設けられた演舞場や踊り広場、さらには道端で踊りを見ることが出来る。
とにかく音の鳴る方へ進めばオーケーだ。

歩行者天国の道路上で演舞を披露

 新町橋東おどり広場
市内各所に踊り広場が整備されている

東新町、商店街のアーケード下や…



両国橋西公園・編み笠ステージでも…


おどり広場を渡り歩いていると、両国本町演舞場に到着。
ここは無料演舞場ながら桟敷もあるみたい。
そこへ海上自衛隊・第24航空隊の松空連が再び踊りを披露。



ANA関係者によるANA連も登場
飛行機2機が編隊飛行で進入です


無料演舞場ながら、有料演舞場と変わらず見ごたえ十分。
これら無料のおどり広場・演舞場を周遊するだけでも十分に楽しめるね。







各所での演舞は22時ごろまでと地元の人。
名残惜しいが…終わったら飲食店も混みあうだろうから、21時過ぎに離脱。
有料演舞場スタートから3時間強、初めての阿波踊りに酔いしれた。

これ…もう一泊してもいいよね…。

続いてビールに酔いしれます

徳島酒場放浪、駅前地区の飲食店街に向かうと…あらら閑散。
飲食店が疎なのはある意味安心とはいえ、ちょっとお気の毒。

呼び込みの兄ちゃんに連れられて2階の居酒屋。一人なれど個室をあてがわれ、1時間1000円のせんべろで文字通りベロベロに。
二軒目で鳴門鯛の冷酒とともに寿司をつまむ。


店を出ると22時過ぎ、帰路につく人たちが飲食店街に流れ込む様子もなく、静かな徳島の夜となった。


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