2016年12月19日月曜日

回想 沖縄・冬の旅(12月12日・前編) 【北大東島周遊編】

(回想 沖縄・冬の旅(12月11日) 【絶海の孤島・大東諸島へ 那覇-北大東フライト・北大東島到着編】はこちら)

2016年12月12日 北大東島の朝、おはようございます。

借りたバイクで走り出す
行く先も分かっている

旅の朝は早い。
6時に目覚ましをセット、部屋の窓から空を見上げると星が綺麗に見えている。

となればミッションゴー、島旅恒例「日の出ツアー」に出発。
離島では日の出・日の入りも大事な観光ポイント。支度してまだ暗い中を原付バイクで出発。安全運転でそろーりと。

昨日の機内で中学校の先生に「日の出なら“沖縄海”ですかね。空港のすぐ向かいですヨ」と教えて頂いた場所。確か沖縄最東端の碑もあったはず。

しかし昨日西港公園での日の入り時にお会いしたおじさんは沖縄海への道は工事中だったと思うよ。人なら通れたかなぁ…」と言っていたが…

沖縄海への道は工事中

あらら、重機が道を塞いでいてやっぱり工事中。残念だが沖縄海と沖縄最東端の碑は次回訪問時のタスクに。

でもちゃんとあるよプランB。北大東島空港の展望デッキからも日の出が見えると思うので、気を取り直してそちらを目指す。




日の出は6時52分。
東の空が段々赤くなって海岸線には雲もあるけど…ほら、ちょうど誘導路の先に出てきたよ。


沖縄では、日の出(日の入り)が綺麗に海岸線から昇る(沈む)光景を見られるのは本当にまれ。私も記憶にあるのは宮古島での夕日のみ。
それでもお天気がよさそうならぜひトライしてみてね。条件が良ければグリーンフラッシュも…

誘導路の真ん中から、おはよう太陽。


天狗岩と秋葉神社

北大東島は「相撲」が盛んな島
島内にはあちこちに土俵がある

空港からの帰り道、秋葉神社に立ち寄って宿に戻る。
朝食の前に、施設内にある展望台でもう一度朝日のチェック。




ハマユウ荘の展望台からは島が一望できる

北大東島は島の中心部がわずかに凹んでいて、火山の火口のような、盆地のような地形。そのためこの展望台からも海を見る事は出来ない。

宿の展望台にあがって、やっぱり気になるのはアンテナ群。
島には携帯電話用基地局アンテナが数基設置されている。

以前は貧弱な通信状況だったようだが現在は大手キャリア3社の通信が可能なようで、我が格安SIM(docomo MVNO)もLTE通信が出来ている。しかしチョット沿岸部に行くと弱いかな…
ちなみに沖縄では沖縄セルラー電話(au)のネットワークが強い。そのため沖縄セルラー電話の加入者数は他の都道府県と比べても県内トップシェア。離島へ行くならauを…なんだけど、スマホ手放せない旅ってのもなんだかね。

ここで北大東島における通信インフラに関する興味深い記事を2つ見つけたのでご紹介。

【基地局探訪記 その6】 沖縄・北大東島のさとうきび畑にそびえる基地局のヒミツとは?

沖縄本島から400キロの離島でLTE通信を堪能してきました 週アスPLUS


しかし肝心の北大東空港RAG(航空通信用施設)らしきアンテナが見つからない。島でラジオを聞いてもシグナルが弱い。
と思ったら、北も南もどちらも「大東リモート」として両空港共通の1波でやってた。そりゃ見つからないはずだ。

そして島内のテレビ放送、以前は小笠原向けの東京キー局の放送を再送信する仕組みだったそうだけど、現在は南大東島に沖縄本島からの海底ケーブルが敷設されたおかげで北大東島にも伝送することができるようになり、沖縄のテレビ放送がちゃんと見られる。
でも旅行中は部屋でテレビ見ている時間なんてないけどね。


南大東島方面を向く通信アンテナ
北大東島には南大東島を経由して電波が届く模様

展望台でひとり写真を撮っていると「おーい、上がっても大丈夫?」と沖縄言葉のオジイ。

「何処から来た?富山?薬売りに来たか?」と、どこへ行っても富山=薬売り
それだけ富山の売薬さんが日本全国をまわっていたって事。

聞くと沖縄本島の南城市から「模合(もあい)仲間」で旅行に来たとの事。

「あぁー、模合って皆でお金出し合って貯める…」
「そうそうそれ。その模合の仲間で来たの。この模合には若い人からオジイまでたくさんいるよ。」

模合とは沖縄独特の相互扶助的なシステムで、お金の積み立てをして貸し借りする仲間のこと。その貯まったお金を使ってみんなで北大東島に旅行に来たそう。

「この島はサトウキビだけじゃなくて、いまはジャガイモもカボチャの栽培もやるそうだよ。それにキビ刈りも全部機械化してるって。すごいよなぁ」と島外の人から島の農業事情をアップデート。

「兄さんも午後の飛行機乗る?じゃあまた空港で会おうね。」

昨日の三線弾きながらの大宴会はこの模合グループだったっぽいね。

朝食も宿のレストランで 


宿をチェックアウトし、午後の空港送迎の時間まで島内観光へ。

相棒の原付バイクを走らせて島の南にある江崎港へ向かう。

どこの畑もサトウキビが伸びていて、なんだか迷路に入り込んだような錯覚

溜め池にはヤギさん
(もしかしてヤギ汁用…?)


さとうきび畑に囲まれて植えられているジャガイモ

島内はサトウキビ畑が大半を占めているが、南城市のオジイが言っていたようにサトウキビ以外のジャガイモカボチャと思われる農産物も栽培されていた。

島の人によると、収穫期が他の産地と異なるため市場でも安定的な値段で取引されることが多いのだとか。
島には特産品としてジャガイモで作ったちんすこうや、ジャガイモのお酒(原料を本島に送り製造)もある。

江崎港

江崎港に到着。

この北大東島には北港・西港・江崎港の3つの港がある。
那覇と北大東・南大東を結ぶ「大東フェリー」が就航しているが、断崖絶壁で波も高い大東島では、季節や天候によって港を使い分けているそう。
今の時期はこの江崎港にフェリーが接岸されるそうだ。


港からは南大東島が見える

荷卸し用のクレーン車
乗客もゴンドラに乗ってこのクレーンに吊るされて乗下船する


荒々しい波風で風化した奇岩群が囲む外周道路をバイクで進むと、巨大な漁港船揚場の建設現場に。
日本でも珍しい「岩盤掘り込み方式」で建設されている巨大な港湾施設だ。



工事名は「南大東漁港北大東地区船揚場等工事」って
なんだか南北表記がややこしい

南大東島では既に同様の港が完成し供用されているそうだが、ここ北大東島の漁港は現在建設真っ只中。
昨日宿のレストランで新鮮な魚を食べようにも「いま海が荒れてて船が出られないから…」との話だったが、ここが完成すれば安定的に出漁できるのではと思う。

またここ以外にも島内ではアチコチで公共事業が行われていて、結構な数の重機やダンプカーを見た。建設業もこの島の重要な産業のひとつなのだ。

上陸港跡(上陸公園)



北大東島開拓百周年記念碑

イソヒヨドリかな


西港

昨日に引き続き今日も西港へ。やっぱり居ました地元の釣り人。
今日はソコソコ釣れているそうで、釣果を見せてもらう。

ここでも釣りを楽しむオジイから島の情報・疑問をアップデート。あとでまた寄りますネ。


水産組合のお店は…やっぱり今日は閉店休業

金刀比羅宮
ここにも相撲の土俵があった

北港は高波が打ちつけているため閉鎖中
状況を知らない観光客などが近づいて危険なため、役場の職員がマメに閉鎖するそう

外周探検は一旦終了、ここから内陸部を周遊。
日差しもだんだん強くなり暑くなってきたよ。

潮見橋


大池


製糖工場

大東宮

中野のビロウ林

北大東村役場

島にもあります、消防車と救急車

役場横には観光案内所
出来れば最初に立ち寄ってね

島を守るおまわりさん

長幕岸壁及び岸錐の国指定天然記念物特殊植物群落
島の南西を屏風のようにそびえたつ様子から「屏風岩」とも呼ばれるそう


滑走路21エンドに立ち寄ると工事中、日の出の時にも行われていた
そーいや何かNOTAMが出てたな

300946 RJAAYNYX
(0047/16 NOTAMN
Q)RJJJ/QMRLC/IV/NBO/A/000/999/2557N13120E005
A)RORK B)1612090700 C)1612200530
D)09-11 0700/0430 12 0700/0530 13-14 0800/0530 15
0800/0430 16-18 0700/0430 19 0700/0530
E)RWY 03/21-CLSD DUE TO CONST
RMK/EXC SKED FLT,EMERG FLT AND ACFT WITH PRIOR PERMISSION AT LEAST 1HR 30MIN BFR)

白い舗装が美しい滑走路

ピュイ、ピュイーと鳴くのはサシバかな

昨日も訪れた燐鉱石貯蔵庫跡を再び


以前はトロッコもあったようだが
残念ながらレールは見つけられなかった

西港に戻ってくると、さきほどのオジイに若者も加わって釣りの真っ最中。


透明すぎて魚が丸見え
魚も撒き餌には食いついても疑似餌には食いつかない

兄さんたちは先ほどまで好調だったグルクン釣りに再び変更

さっそくグルクンが釣れる!
へぇー、グルクンって釣り上げた直後は青いのか…赤は警戒色だって

オジイはグルクン+オジサン3匹の爆釣
「ほれ見て!鯉のぼりよ!!」

島内観光も楽しいけれど、こうやって島の人たちといろいろ話しているのも楽しいひととき。
観光客の私にいろいろ教えてくれてどうもありがとう。たくさん釣れるといいですね。

半置半右衛門の碑

時刻は12時すぎ、お腹もすいたので腹ごしらえ…も、ハマユウ荘のレストランへ。
結局昨日から3食ともハマユウ荘のレストランだが、この島にはここぐらいしか食事できるお店がない。とっても美味しいのでオススメ。



島の信号機は子供達の交通教育用
島のネコも信号が分かる?

JAおきなわ 北大東支店

島のお土産もここで買えマス
嵐で船が入らないときは棚から商品が消えることもあるんだとか

北大東村立幼稚園に咲くのは…

トックリキワタかな?
送迎の集合時刻まであと1時間。
やっぱりもう一度海を見ようと外周道をドライブ。

沖縄の離島にはつきものの白い砂浜がない北大東島。
どの岸壁も2時間ドラマな山村紅葉的ポイント。その荒々しい光景を目に焼き付ける。



西港公園にも相撲の土俵

島の水道は海水を淡水化したもの


原付バイクを返却
2日間お世話になりました

帰り際にもう一度、展望台から北大東島を見る

送迎車出発の時間。模合団体の皆さんと一緒に空港へ。

さあいよいよ日本最短国内定期路線「北大東空港-南大東空港」に搭乗だ。
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