国土交通省 航空局 飛行検査機 「チェックスター7」(JA007G) |
これまでもお伝えしているとおり、9/19から11/13までローカライザー更新工事のため富山ILS(ローカライザー・T-DME)が休止しています。
地上の土木・設置工事は10月上旬で終了した模様で、10月14日には試験電波発射のNOTAMが発令されました。
その試験電波が発射された10月14日、空港を訪れてみると何やら怪しげな車が滑走路周辺を走っていましたよ。
おそらくCABの車が、電波の測定を行っているものと思われます。
おそらくCABの車が、電波の測定を行っているものと思われます。
試験電波発射当日(10月14日) アンテナらしきものを付けた車が滑走路脇を走行 |
停車して測定中 |
ローカライザー付近でも測量機器を使用して作業中 |
そして迎えた10月28日。
朝から雲ひとつない快晴。立山も薄らと見えています。連日の晴れ予報…。
いわゆる「検査日和」です。
いわゆる「検査日和」です。
「今日あたりから検査やるかなぁ…」
なんて考えていると…あ!飛行検査機がキターーー!
長年チェックスターの追っかけをやっていると、そういう予感っていうのがあるんです(←)
とりあえずはその検査の様子を動画でご覧いただきましょう!
※動画には簡単にアノテーション(簡易字幕)を入れてあります。PC以外の、タブレットやスマートフォンでは表示されませんのでご注意ください。
- Flight Data -
Date: Oct 28/Oct 29/Oct 30, 2013
Airline: 国土交通省 航空局 JCAB Japan Civil Aviation Bureau
Aircraft: Bombardier DHC-8-Q300
Registration No.: JA007G
Runway: 20
飛来したのはJA007G、コールサイン「チェックスター7」です。
Airline: 国土交通省 航空局 JCAB Japan Civil Aviation Bureau
Aircraft: Bombardier DHC-8-Q300
Registration No.: JA007G
Runway: 20
飛来したのはJA007G、コールサイン「チェックスター7」です。
機種はBombardier DHC-8-Q300で、7機あるチェックスター機の中で唯一の高翼機です。
この飛行検査機が富山空港周辺を飛行し、ローカライザーの調整・検査を行います。
この飛行検査機が富山空港周辺を飛行し、ローカライザーの調整・検査を行います。
ローアプローチ |
アークフライト |
地上での検査(モニターアライメント) |
機体上部・下部にはたくさんの測定用アンテナ群が取り付けられている |
飛行検査の形態は主に以下のようなものがあります。
- ローアプローチ
ローカライザーコースに向かって進入し、滑走路上を低空で飛行 - アークフライト
ローカライザーコースに直交して、一定高度を維持しつつ円弧状に飛行。数マイルから数十マイル先で行われます - レベルラン
高度を一定に保ったまま、ローカライザーコース上を飛行 - モニターアライメント
滑走路末端に機体を置き、ローカライザーコースを左右に振り、地上側モニターの機能を検査
これらの飛行を繰り返しながら検査が行われます。(飛行解説図がないか探し中。作るしかないかなぁ…)
映像ではすべての飛行・検査形態を収録。
一通りの飛行は空港周辺で見ることが出来ますが、アークフライトは20マイル以上の遠方で行われるものもあります。
またローカライザーの検査では「レベルラン」を行わないものだと思ってましたが、ローカライザー単独設置の特別検査でも行うようですね。
地上では、機器の調整を行ったり、セオドライトと呼ばれる測量機器を使用して飛行機を誘導する技官がそれぞれ待機し、飛行検査機とともに検査作業を行っています。
映像ではすべての飛行・検査形態を収録。
一通りの飛行は空港周辺で見ることが出来ますが、アークフライトは20マイル以上の遠方で行われるものもあります。
またローカライザーの検査では「レベルラン」を行わないものだと思ってましたが、ローカライザー単独設置の特別検査でも行うようですね。
地上では、機器の調整を行ったり、セオドライトと呼ばれる測量機器を使用して飛行機を誘導する技官がそれぞれ待機し、飛行検査機とともに検査作業を行っています。
局舎内では各種検査・調整が行われている模様 |
セオドライトを使用して飛行検査機を誘導 |
今回は通常の定期検査とは異なり、局舎とアンテナ・ケーブル類を丸ごと交換したため、「特別検査」に該当するものと思われます。
※以下、飛行検査業務処理規程より抜粋(資料は古い可能性もあるので参考としてください…)
特別検査
開局検査及び定期検査以外の検査であって、次に掲げる場合に航空保安施設等及び飛行方式等が所要の要件を満たすことを確認するために行う検査をいう。
c.機能に影響を及ぼすと認められる重要な変更文は修理を加えた航空保安施設等の運用を再開する場合
また、検査項目は以下のように記載されています。
識別符号
コースとクリアランスの出力比
変調度
変調均等性
フェージング
コース巾
クリアランス
ハイアングルクリアランス
アライメント
ストラクチャー
偏波効果
カバレージ
監視装置
1.コース巾及びクリアランス
2.アライメント
3.出力の減衰
予備装置
なんだかよく分からない難しい言葉が並んでいますが、要するに開局時と同様に、ローカライザーに関わるすべての検査を実施するって事のようです(汗)
これらを3日間かけて検査が行われました。
もちろん通常の定期便やVFRフライトも飛行する中での検査。その合間を縫って検査飛行が実施されます。
昼飯時には地上に着陸して休憩…なんてこともなく、数時間に渡る飛行が続いています。
以前お話を伺った技官の方によると「時間を見つけて、各自膝の上に弁当を置いて食事したり…」と、なかなかのハードワークです。
(大空港の飛行検査はもっと大変なんだと思います…)
10月30日、雨の降る中で地上でのモニターアライメントを行って、一連のローカライザー更新検査は終了。
これにてローカライザーは使用できる状態になっているものと思われますが、実際の使用開始は11月14日から。電波は発射されているものと思われますが、それまではローカライザーを使用したアプローチは出来ません。エイジング期間ですね。
途中ANAによるRNP-APCH取得もあり大きく情勢が変わった富山空港ですが、2か月にも及ぶ休止期間もあと2週間を残すばかり。
楽しかった(?)VOR-Aアプローチ実施も、あと僅かですね。
以上、ローカライザー飛行検査の様子でした。
スポンサーリンク
めっちゃ良く知っていますね。
返信削除勉強になります