2020年11月22日日曜日

回想 奄美群島の旅 【2日目 - 喜界島周遊編|喜界島から徳之島へと思ったら欠航になった話】


11月6日、喜界島の朝。おはようございます。

終日雨の予報…も何処へやら、雲の隙間から太陽の光が見えている。
こんな調子なら展望台で海岸線からの日の出を見に行けばよかったなぁ。

わずかな太陽光線を浴びながら、ホテル周辺の海岸を散策し「疎」を楽しむ。

海岸線なら日の出チャンスはあったかも


この旅最初に見るサシバの姿

朝食は3種類のセットメニューから選べるのだが、一番人気の奄美名物「鶏飯」をチョイス。



喜界島の景勝地と戦跡を訪ねる


雨ならホテルでのんびり…と思ってたのだが、このお天気ならとすぐにチェックアウト。
レンタカーで島内観光へと出かける。
少しずつ青空も見えてきたよ。


喜界空港近くにある「戦闘指揮所跡」
旧海軍喜界飛行場は襲撃・特攻機の中継飛行場だった

ここ喜界島には数多くの景勝地のほか、第2次世界大戦当時の史跡・戦跡も多数ある。旧海軍喜界飛行場があったため、この島は激戦地のひとつだった。
今回の奄美群島の旅ではこれら戦跡を見るのも目的のひとつとしていた。



道路の突き当りには「石敢當」
琉球・沖縄からの文化が島の随所に見られる

大島地区消防組合喜界消防分署




その消防分署の横にある「掩体壕」



荒木・中里遊歩道休憩所から海を見る
クジラも見られることがあるのだとか

ウリ浜

手久津久の巨大ガジュマル

シヅル埼灯台

初点は昭和50年3月


レンタカーで道路を走っていると…もしかしてあの花は…?
降りて確かめてみると、どうやら「特攻花」のようだ。

この特攻花については諸説あるものの、島の娘たちが旅立つ特攻隊員に贈った花から種が落ち、旧海軍飛行場周辺で見られるようになったことから特攻花と呼ばれるようになったと語り継がれている。

空港周辺では多数みられるそうだが、昨日空港周辺で探しても開花しているものは見つからなかった。
正式名称はテンニンギク。実は北米原産の外来種だ。


写真を撮っていると、近所のおじさんがジョウロをもって水やりにきて「これが特攻花だよ」と教えてくれた。近くの公園から株を分けてもらって道路沿いで育てているそう。
お互い距離を保ちつつ花にまつわる話を聞かせてくれた。

鎮魂・平和を願う喜界島の特攻花。
見たかったこの花に出会えて一安心。

喜界島に咲く「特攻花」

サシバ遭遇率は高い
「ピュイッ、ピュイーッ」と鳴き声もよく聞こえる

テーバルバンタ

テーバルバンタからの眺めは…
…手前の草木が伸びててスッキリせず


七島鼻(ポイント211)
ここが喜界島の最高地点

三角点

その三角点のそばにある、旧日本軍の「通信施設跡」

通信施設跡を見学していると、一人のおじさんが風の方向と強さを調べるためのウインドソックス(吹き流し)をもって現れた。
この高台はパラグライダーの離陸場として利用されているが、どうやらそのパラグライダー愛好家のようだ。

施設跡を見学する私に「今日は風が強すぎてダメだねー」と、ここでもお互いに体の角度をずらし距離を保ちながら話を聞く。

「この通信施設跡は戦後ずっとここに埋まっていて、我々パラグライダー愛好家がここに離陸場を作るときにみんなで掘ったんだよ。せっかくだから中も見てってよ。」

通常は立ち入り禁止だが、わざわざ中まで案内してくれた。
といっても、のぞき込んだら3畳ほどの部屋があるだけ。大戦中ここで通信・傍受などの業務にあたっていたとされる。
実は今も喜界島には防衛省情報本部が運用する国防上の重要な施設「喜界島通信所」がある。大きなアンテナがあるはずなのだが…その姿はこの最高地点からも森に隠れていて見ることが出来なかった。

掘った際に出てきた入口


通気口が2つ外に出ている

パラグライダー離陸場から海を見る
飛んでるところを見たかった


百之台公園

震洋格納壕跡
特攻艇「震洋」を格納していたとされる
壕の中は埋め戻されているようだ


志戸桶ビーチの脇に平家上陸の地の石碑
平家はどこにでも現れる…

トンビ埼灯台

初点は昭和46年12月

ハワイビーチ

ムチャ加那公園 
奄美民謡「ムチャ加那節」の舞台のひとつ

雁股の泉


子午線モニュメント
喜界島の中央を東経130度線が走っている

黄色い線が東経130度を表す

3キロもの直線が続く「シュガーロード」

ここで喜界島中心部に戻り、空港で奄美便の離着陸を見ながら空港ターミナル探訪へ。
少し雨もぱらついてきたかな。

奄美空港と鹿児島空港からそれぞれ直行便がある
現在は需要の落ち込みもあり一部欠航する曜日も



ターミナルでは昨日の団体ツアー御一行がチェックイン中。
昨日話を聞いた添乗員さんにご挨拶。今日は奄美大島で1泊の行程だそう。
立山黒部アルペンルート、お客が戻ってくることを県民も願ってます。

小さな売店と食堂もある

展望デッキはないが
エプロン脇に公園があり送迎ポイントとなっている

左が到着した定期便
右が壊れたJA07JC

10月23日、着陸後にプロペラが滑走路に接触した模様

見る限り右エンジンの
プロペラすべてが損傷しているようだ



ちなみに、ここ喜界空港では「喜界ターン」と呼ばれるチョット珍しい出発が行われる。
これは機内すべての座席の乗客が見送りに来た人を見られるよう、出発時に航空機がエプロンで8の字旋回を行うもの。
しなしながら現在は故障中のJA07JCが駐機中なので実施できず。これはまた次回のお楽しみに。


奄美行きの第2便を見送ってランチへ

東日本大震災漂流漁船


長石の辻遺跡

ウフヤグチ鍾乳洞

シメのスギラビーチも…雨
奄美大島方面はさらに雲が多いようだ


レンタカーを返却し徒歩で空港。
今日はこれから奄美空港経由で徳之島空港へ。こちらも念願の徳之島初訪問

空港で早速チェックインするもカウンター氏「天候調査中でして、もしかしたら欠航の可能性も…」
確かに奄美大島方向が雨雲で暗かったけど…いやぁ、風も弱くなってきたし行けるっしょ。

スーツケースを預け、ベンチでリュックの中身を整理していると…あれま欠航のアナウンス。

3836便は天候調査の結果「欠航」となってしまった

どうやら奄美空港周辺の天候がよろしくない模様。そこへきて喜界空港には着陸のための精密誘導装置もなけりゃ滑走路灯火もないので運航は日没までの時間勝負。
早々に欠航のジャッジとなるのも仕方ない。

小さなカウンターは振替手続きの人で行列に

残念だが気持ちを切り替えて、これからやるべきことを脳内で列挙してみる。というか、むしろテンションがアガる…悪い癖。
  1. 明日の「喜界-奄美」便の確保
  2. 今夜の宿の確保
  3. 今日出発予定だった奄美大島発徳之島行きのパッケージツアーの取消
  4. 明日夕方から借りる予定だった奄美大島のレンタカー予約を前倒し
1.について、今回は天候事由による欠航なので次便以降同社同区間のフライトに予約変更してもらうことができる(もちろん無料)。
もしも船や他の交通機関で移動を希望する場合、当該航空券の払い戻しを受けることもできる(ツアー用航空券の場合は後日販売会社を通じて返金。ただしツアー用に大幅割引された航空券なので返金額はわずかなことも)。移動費用は自腹。

こういう場合のツアー航空券の対応については各航空会社や旅行会社のサイト等にフローチャートが出ている。

私はカウンター1番乗りで予約を確保、明日の奄美空港行きの第1便を無事に押さえることができた。
カウンター氏:ご迷惑をおかけし申し訳ござ…

私:いえいえ、先を急ぐ旅ではないですから。それに欠航だけはお金で買えませんからね。こういう経験が旅の経験値をアゲてくれます。もう一泊して喜界島を見られると思えばいいんですよ。

カウンター氏:お客様だけですそう言っていただけるのは。(笑顔

カウンターに続く行列をみると、離島の平日とあってか出張のサラリーマンが多い。当然離島をめぐる出張族となると上級会員も多数。とにかくここは早めの振替便予約が重要だ。
もし行列だったり自身が空港に到着していない場合、スマホで同区間の普通運賃の席を取ってしまってOK。離島での欠航は座席の争奪戦なのだ。 

あ、あと振替便予約の際には必ずJMB番号を入れてもらい、予約の控えを貰う事。
5日の奄美空港では、どうやら振替予約したものの予約の確認ができず搭乗を断られていたカップルがいた。
なお、これが「会社都合・機材故障」となると条件はガラリと変わる。


2.についてはカウンターに並びながらオンライン予約サイトで空室をチェック。

他のカウンター係員が喜界第一ホテルに電話しているようで、既に空室がデラックスツインルームしかないみたい。
そんな中、喜界第一ホテル系列のドミトリーに部屋在庫があり1室確保。もちろんネット予約することでGoToトラベル対象にもなる。
天候事由での欠航のため、延泊の宿泊費等は自己負担ね。


さて、問題は3.だ。

奄美発喜界島ツアーはAオンライン旅行会社のJALダイナミック型パッケージ、奄美発徳之島ツアーはBオンライン旅行会社のJALダイナミック型パッケージをそれぞれ申し込んだ。
つまり、今日はそれぞれのツアーの「帰りの航空券(喜界-奄美)」「行きの航空券(奄美-徳之島)」の2つの航空券を連続して使用し喜界島-奄美大島-徳之島とフライトする予定だったのだ。

通常であれば奄美発徳之島ツアーについてはこのままWEB上で取消するとキャンセル料がかかるが、とりあえずB社のコールセンターに電話。
繋がるまで40分も保留音を聞かされたが、オペレーター氏に事情を説明すると今回は「お客様都合によらない事由」と認められ、キャンセル料を免除してくれることになった。
交渉材料の下準備として①あらかじめ今日泊る予定だった宿とツアー素材のレンタカー会社に事前に電話して行けない旨を伝え、②JALの予約記録(PNR)に乗継便欠航のメッセージを空港でいれておいてもらった…のも効いているのかもしれない。
そしてそれぞれ販売している旅行会社は違うのだが、その販売形態としてはどちらもJALPAKが主催し、各旅行会社が受託販売という形をとっているのもミソだ。
ただこれはイレギュラーな対応なので、キャンセル料を請求されても当然なのは理解しておきたい。あくまでも「今回は」なのだ。これが他社運航便だったり、主催会社の異なるツアーだったらダメだっただろう。

あとこれも旅手配の重要なポイントなのだが、前日に必ずホテル・旅館へ電話確認。これ本当に大事。それが例えパッケージツアーであってもだ。
確認する理由は稀に宿側に予約が入ってないこともあったりするが、何よりも「いま私は喜界島にいて、明日飛行機を乗り継いで行きます。飛行機の遅れや欠航があったら随時連絡します」という事を伝えるのがとても大事。
こうすることで私の行動が宿側と共有でき、万一の遅延や欠航の場合の対応に差が出てくる。宿側からすると「昨日電話で連絡あった人だね」となるわけだ。

そして当然ながら、今回の徳之島の宿とレンタカー会社には昨日の夕飯前に電話済みだ。


取消が無事完了したところで4.レンタカー延長の交渉&送迎の手配。
こちらはあっさりと6時間の延長が追加料金なしで認められた。もともと1日単位の料金設定だったので当然といえばそれまでだが、これですべての予約済み素材を調整することができた。

人生初ドミトリー
どちらかというとカプセルホテルに近い感じ
狭いけど…これも経験


今日の宿はドミトリー、ゲストハウス?いやカプセルホテル??な宿。
女性専用ルームの一部を除いて全室満室。早めに動いて事なきを得た。
チェックインは系列の喜界第一ホテルで行うのだが、フロントでは欠航の連絡をうけて忙しく部屋の調整やチェックインが行われている。

夕食は、昨日お世話になった居酒屋に電話して事情を説明し席を確保してもらう。
やはりフラフラ酒場放浪とはいかないこのご時世。昨日に引き続き安心して食事できる店で済ませたい。


お店に着くと
「欠航になっちゃったの?今日は徳之島行くって言ってなかった?そりゃ残念だなぁ…」

カウンターには先客がいたが、私の予約席との間隔も保たれている。
お店側も疎を作り出すのに工夫してくれているようだ。


今夜の夜光貝は旨煮で

シメは油そうめん喜界島バージョン

2連続となった居酒屋、快くそして温かく迎えていただき、今晩も静かに楽しく過ごすことができた。

急遽今日の宿予約で増えたGoTo地域クーポンをもってスーパーでお買い物。
宿に戻って洗濯&シャワーを浴びて自分の寝床へ。隣のボックスに気を使いながらの就寝。


明日は午前の便で奄美大島へ。
でも2度目の欠航だけは勘弁してよ。

スポンサーリンク


0 件のコメント:

コメントを投稿