2015年3月16日月曜日

回想 北陸新幹線一番列車で行く東京の旅 - 乗るしかない、このビッグウェーブに。

旅に出かけると書いている気まぐれ旅行記。

メモ程度の日記なんですが、よろしければどうぞ。

なお、かがやき500号乗車レポートは別途ブログ記事でご紹介済み。こちらもよろしければどうぞ。

(いちおう一般記事はですます調、回想・旅行記はである調でやってまス


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「きっぷをお取りできました。」

事前申し込み受付をしていた駅からの電話。
2015年3月14日に開業する北陸新幹線の1番列車「かがやき500号(金沢→東京)」の切符が取れたという連絡だ。
トワイライトエクスプレスの最終運行チケットほどの難度はなかったとは思うが、窓口担当者のご尽力に感謝。


そんな私も旅行会社勤務時代、JRのきっぷを自らマルス端末を操作して売っていた。人気の列車やイベント列車などの1か月前発売時は緊張したものだ。もちろん北陸新幹線の先行開業部分であった「長野行新幹線」のあさま号などもこの手で発売していた。

「この長野新幹線が北陸まで延伸した際には、一番列車に乗りたいよなぁ…」


そう最初に思い描いた日から十数年。ついにその時がやってきた。


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2015年3月14日午前4時。金沢駅に到着。合流した同行の友人は昨日遅くまで北陸本線の最終運行を追っかけでほとんど寝てないご様子。お疲れ様でした。

在来線改札では、始発電車の改札が既に始まっている。
この在来線については、本日より金沢以西がJR、金沢以東倶利伽羅駅まではIRいしかわ鉄道が運行。自動券売機コーナーでは両社の券売機が並んでいる。在来線にとっても区切りの日だ。


トラブル?係員が券売機を前にマニュアルとにらめっこ中

名古屋・関西方面の特急のほとんどがこの金沢駅発着となった
金沢以東は七尾線を除き普通電車のみの旅客営業となる



柱には九谷焼や蒔絵など、
石川県の伝統工芸品が組み込まれている

改札前はとにかくすごい人。
乗車する人、見学のため入場券購入の待機列、報道陣でもうグチャグチャ。


そんな中、改札前の柱の陰でひとりその時を待つ金沢駅長の姿。

「開業おめでとうございます。不眠不休の準備でお疲れではないですか?」とお声掛け。
駅長:「ありがとうございます。寝てないというより、眠くないんですよね。本日は一番列車ご乗車ありがとうございます。」
今日の始発宣言、よろしくお願いします。


時刻は4時50分、閉められていた改札前のシャッターが開けられ、いよいよ入場の時。きっぷを手に自動改札へ。

苦労して取っていただいたこのきっぷだが、今回は無割引のきっぷ。
ネット予約やモバイルsuica特急券などを活用すれば多少割引になるが、それでも従来の割引きっぷから比べると割高感はある。
もちろん新幹線という高速鉄道利用料金としては妥当な金額だろうが、今後の割引きっぷの展開などに期待したい。


ホーム階へあがると、既に北陸新幹線W7系が発車の時を待っている。
11番のりばには開業1番列車となる「かがやき500号」が昨日より据付済み。
14番のりばには開業2番列車となる「はくたか552号」がこちらも昨日より据付済み


金箔がお好きですねぇ
金沢駅新幹線ホームの停車場中心
北陸新幹線の起点となる高崎駅からの距離が記されている



いよいよかがやき500号の車内へ

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この「かがやき500号」の乗車レポートは別途ブログ記事を掲出済み。そちらもあわせてご覧ください。

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1分遅れて滑るように動きだした1番列車。窓からはお世話になっている先輩のマンションに灯りが。早起きして見送ってくれてたかな。

ものの数分で石川県を抜けて我らの郷土富山県へ。
富山駅で下車する人の姿も。そして入れ替わるように新たな乗客が加わり、長めの警笛を鳴らして富山駅を発車。

富山駅を出発


車掌さんによる車内巡回。車掌とともに金沢新幹線列車区長も同乗。お願いしてきっぷに検札印を押していただく。

デッキから写真を撮っていると、隣に石川の北國新聞社のキャメラマン。
「長野ではどっちのドアが開くんですか?こうやってマイクをスピーカーに近づけて音撮ってる人撮りたいなぁーどこかに居ませんでしたか?」とお忙しそう。スクープ写真撮れるといいですね。()

荒川を越えて都内に入ると上空にはヘリコプターの姿。各社この1番列車を上空からカメラで狙っているのだろう。




東京駅の北陸新幹線が発着するホームは、こちらもすごい人の数。
列車発着時には怒号にも近い注意喚起アナウンス。

ホームには北陸新幹線の写真や広告が多数



ホームでは富山出身のタレントさんやTVクルーの姿。東京駅も北陸同様に今日はお祭り騒ぎだ。

そして我々の1番列車に続いて、後続の北陸新幹線が次々とホームに滑り込む。
そこへ甥っ子たちが乗ったかがやき号も到着。車内では大興奮だったそうだが、降りてすぐ目の前の「はやぶさ・こまち」の併結車両を見て口があんぐりと開いている。

ホーム北側でしばしの新幹線見学タイム。北陸新幹線が発着する合間には東北・上越・山形・秋田の各新幹線の姿。いままで本やプラレールなどでしか見たことのない列車が、次々と子供たちの前に滑り込む。






ここで甥っ子たちを鉄道博物館に送り出してお別れ。
別件を済ませに麹町へ。



麹町でそのままランチタイム。

このあとはノープランの予定だったが、同行の友人が予備のメモリーカードを忘れてきたことが判明。秋葉原にあるショップまで買いに行く。




久しぶりの秋葉原でお目当てのショップへ直行。通販同様激安価格でメモリーカードを購入。

そのまま山手線で上野駅に向かい、こちらも本日開業の「上野東京ライン」に乗車。
新線を先頭展望かぶりつきで…と思ったが、どの列車も先頭車両だけすごい乗車率。


東京駅グランスタでは北陸新幹線開業を記念したイベントが開催中。
沿線各県から県産品などを展示したり、物産品販売などが行われていた。
しかし、開業初日のイベントブースとしてはチョット物足りない感じ。富山県の担当者も県内企業ただ1社の製品だけを持ってきて展示しているのみ。石川県は担当者の姿すらなし。
もうちょっと、盛り上がっていてもよさそうだけどなぁ。


空港のターンテーブルでおなじみ、巨大富山湾鮨。


駅構内には北陸新幹線の広告ばかり


ホームにあがると、ちょうど長野からの(臨)あさま号が到着。この編成が折り返して金沢行の(臨)かがやき533号となる。
東京駅ではホームに据え付けたまま車内清掃が行われる。時折メディア等でも紹介されるほどのプロフェッショナル清掃集団だ。



乗車率は半分までいかない感じ。開業初日ではあるけれども、まあこんなもんかなぁと。
運行初日のはくたか1・2・3番列車の自由席乗車率も10%~30%ほどだったとの事。


軽井沢周辺から見る「浅間山」


北陸新幹線から見る富山湾と夕日


2時間ちょっとで富山駅到着。ここで新幹線を下車。
ここから新高岡駅までは在来線を乗り継いで向かってみる。



富山駅の南北通路にある「フロア・シャンデリア」
県産品のガラスを使用


富山駅最大の特徴ともいえる、市内電車の新幹線高架下への乗り入れが開始された
南北の開通はもうちょっと先

本日開業の「あいの風とやま鉄道」に乗車して高岡まで。
前日まで特急列車が発着していた北陸本線のホームには、今日からは普通電車の姿のみ。高山線の特急ひだ号を除き、すべて新幹線へと置き換わった。



高岡駅では特急の乗車位置表示がそのままに


ここで城端線に乗り換え。城端線は並行在来線ではないので、今後もJRによって運行が行われる。
そして北陸新幹線「新高岡駅」開業と同時に、隣接する城端線にも「新高岡駅」が開業した。


城端線にも新駅として「新高岡駅」が登場





日中の駅構内はすごい混雑だったようだが、この時間ともなると見学者も疎ら。
この時間になると、「かがやき」の通過列車が見られるのでホームで待機。

上りホームの警備員さんがホームドア付近で通過を待つ見学者に「みなさんが思っている以上に迫力があって風圧もすごいですから、ホントに下がっていた方がいいですヨ」なんて言っている。

そこへ上りのかがやきがやってきた。


す…すごい!

この新高岡駅は最高速度である260km/hでの通過となっていて、下りホームから見ている私たちには恐怖すら感じられる迫力ある通過シーン。

続く下りのかがやきではホームドアからも十分な距離をとってその通過を見届けるが、それでもやはりチョット恐い…。

停車する「はくたか」
高岡はこれまで在来線特急が全停車していたので、新高岡でもかがやきを停めてもらいたい気持ちは理解できる

はくたか571号で金沢へ
E7系F8編成が充当されていた

金沢着
こちらの駅も見学者の姿は疎ら

よーく見ると、ライトは金の目玉

朝4時54分に金沢駅の改札を通過し、夜20時30分に再び金沢駅の改札を通過。

16時間弱の慌ただしい旅だったが、出口には朝の1番列車の乗降口で見送ってくれていた着物美人の皆さんが朝の笑顔と御姿そのままにズラリと整列。



私にとって、念願だった1番列車の旅が終了。


九州新幹線全線開業時にJR九州が放送したCMのキャッチコピーに「どうして立ち止まっているの?未来は明るいに決まってる」というフレーズが使われていた。


新幹線が出来たからといって、いい事ばかりではない。
それでも、新幹線も走る富山の未来は明るいに決まってる。きっとそうに違いない。
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