2016年10月19日水曜日

航空局・飛行検査機「チェックスター7(JA007G)」が富山空港に飛来 - 「PAPI(進入角指示灯)飛行検査」を実施


国土交通省航空局・飛行検査センターに所属する飛行検査機、愛称「チェックスター」

当チャンネルでもたびたび登場しているおなじみの機体ですが、この航空機は日本全国に設置されている航法施設や航空管制施設、全国に網の目のように広がる航空路、そして空港などの施設を検査・点検する専門の検査用航空機です。現在6機の飛行検査機が活躍しています。

そんな飛行検査機「チェックスター7(JA007G)」が10月13日、富山空港に飛来しました。
今回は富山空港に設置されている飛行場灯火「進入角指示灯(PAPI)」の検査が実施されました。


その飛行の様子をまずは動画でご覧ください。






写真で飛行の様子をご紹介する前に、進入角指示灯(PAPI)について簡単にご説明したいと思います。





PAPIとは滑走路への進入角度が正しいかどうかを知らせてくれる飛行場灯火のひとつで、ある一定の角度より上からは白く、下からは赤く見える光学装置を4基組み合わせることで、パイロットは自機の進入角度が正しいかを知ることのできる、重要な灯火のひとつです。
富山空港の場合は3度のパスで設定されています。

今回の飛行検査では設置されている4つの装置の角度がそれぞれ正しく設定されているかを実際に飛行して検査しています。

引用:カナダ運輸省 Advisory Circular (AC) No. 302-009

4機1組で使用され、その見え方で自機の進入角度を知ることが出来る

ハワイ・カラエロア空港(滑走路4R)のPAPIの例
4つすべてが白く見えるので「Too High」を示している


航空保安大学校で展示されていたPAPI
これを4基1組で使用する

波照間空港(2013年)には2灯式の簡易型PAPI(A-PAPI)が設置
滑走路長が1080m未満の空港には2灯式が設置されている



それでは動画を写真で見てみましょう。

まずは滑走路02のPAPI検査から開始

PAPI周辺にはセオドライトを使用する地上検査官の姿

チェックスター7が進入
動画でも確認できるように、波打つように上昇・下降を繰り返しながら飛行している(詳細は後述)

ブレイクしてこの飛行を2回実施(動画中では1回のみ収録)

滑走路02の仕上げにPAPIと滑走路灯火の検査を行うためローアプローチを実施

続いて滑走路20側のPAPIを検査


PAPI(D)の飛行検査の例
3.5度のライン上(黄ライン)を上昇・下降を繰り返しながらチェックスターが飛行し(赤曲線)、
白と赤の灯火の境界を確認した地点を通報(白マル)、地上のセオドライトで通報時の機体までの角度を測定している
このような飛行をPAPIを構成する4基それぞれに対して実施している

引用:カナダ運輸省 Advisory Circular (AC) No. 302-009

図中の+「角度」は分表記(’)
富山空港ではθ=3度のパスが設定されているので、PAPI(D)の場合「3.5度(3°+30')」のパスとなる


ブレイクして同様の飛行を2回実施(動画では1回のみ収録)

滑走路20側のファイナルコースを横切るようアーク状に飛行して、
PAPIと航空機の間に障害物等がないかを確認する(02側でも同様に実施)

検査終了・着陸

この他、無線や灯火等の定期検査を実施して飛行検査センターのある中部国際空港へ向けて飛行しました。


当チャンネルではこのほかにもこの国土交通省航空局・飛行検査センター所属の飛行検査機「チェックスター」の動画を公開しています。

再生リスト:[JCAB CheckStar] 航空局 飛行検査機 "チェックスター[whitewing681]


以上、富山空港・進入角指示灯(PAPI)飛行検査レポートでした。
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